大会長挨拶

 

リハビリテーション栄養は、栄養状態も含めた国際生活機能分類(ICF)で患者や対象者の評価を行い、病気を抱える人や障害を持つ人、高齢者の身体機能・身体活動、社会参加を最大限発揮できるような管理を行うことを目的に提唱された新しい概念です。 

超高齢化社会を迎える本邦では、近年マスコミ等で盛んに取りざたされるサルコペニア(筋肉減少症)、フレイル(虚弱)、ロコモ(運動器障害)が生活習慣病や認知症の原因となることが多く、その対策が急務です。リハビリテーション栄養はこうした問題に対する直接介入あるいは治療手段となります。手術や薬物治療のサポートだけでなく、予防医学的側面からのサポートを可能にします。

本研究会は、平成2312月に設立され、教育、研究、啓発、実践など幅広く活動してきました。その活動の一つに年1回の学術集会事業があり、平成281022日に第6回学術集会を富山国際会議場で開催しました。学術集会は、研究会を構成する多職種(医師・歯科医師・看護師・管理栄養士・薬剤師・臨床検査技師・理学療法士・作業療法士・言語聴覚士・歯科衛生士および、その他医療・介護職)が一同に集い、考え、学び、そして発展する事業と位置づけています。

 このたび、第7回日本リハビリテーション栄養研究会学術集会の大会長を拝命し、平成291125日(土)に仙台国際センターで開催いたします。仙台の学術集会は、「Narrative and Evidence ~私たちのリハ栄養ストーリーを世界へ!」をメインテーマといたしました。5000人を超える会員の活動は多くの学会発表や論文、書籍発行へ繋がっていますが、今後は医療分野だけでなく広く社会にもリハビリテーション栄養という概念を浸透させるための布石となる学術集会にしたいと考えています。

平成28年1月

7回日本リハビリテーション栄養研究会学術集会

 大会長 藤原 大

(公益財団法人 宮城厚生協会 坂総合病院 リハビリテーション科)